震災前の12月以来だから、2年以上ぶりのあんざい果樹園。看板があのときのままでどきっとしたけれど、その変わらなさがまた、心強く感じられた。「さいちぇん(またね)」とこころのなか。(オン・ザ・ロード/ルート4)
手紙のように本を届ける
金曜日, 19 7月 2013
好きな人に手紙を送るような感覚で本を人に届けることができないだろうか、そんな思いから2年前から自費出版を始めました。一冊一冊、着色したりしながら製本しています。そんな思いに答えてくれるかのように、山梨のホトリニテという旅館の友人が本を置いてくれると言ってくれました。お言葉に甘えて売り切れだった第一集も重版しました。
ごちそうさま
火曜日, 9 7月 2013
旅先でおいしい食べ物を食べたり素敵な出会いがあると、もちろん「ごちそうさま」「ありがとう」と言うべきひとに言うけれど、それでもそれを述べ足りないように感じるときがある。そんなときにこそ、その土地の神様っていてくれているような気がして、僕は、その土地にある神社に行って「ありがとうございます」とお礼を言うんです。
そんなことをおっしゃるお客様を益子にお迎えして、僕の大好きな神社にお連れする、そして、「すんごい神社だ!」と喜んでくれたときの充足感って、、、、。当然、私も神様に「ありがとうございます」とぺこり。
白老
火曜日, 25 6月 2013
チャンピオンレースの日は白老の空はハトだらけだよ、そんなことをベテランのハト屋さんに聞いたことがある。地図上で線を引いてみると確かにハトがここを通っても不思議ではない。ハトだらけ、というのは渡ることを躊躇するハトの群れが旋回していることを指しているのだろう、対岸には何もないと思えるこの海岸から持ち合わせの本能だけでは津軽を渡ることができないというそのことに、同じ動物としてなんかほっとするのだ。(オン・ザ・ロード/ルートH)
支笏湖
土曜日, 15 6月 2013
シコテムコ・エアン・パラト(シコツ川の・水源・そこに・ある・広い湖)を横断しているうちはまだよかったね、そんなことを思うハトはいるんでしょうか。だってこの先には津軽海峡が、、、、(オン・ザ・ロード/ルートH)
チセ
水曜日, 12 6月 2013
アイヌのチセ(家)は、ひとつの原型かと思われます。「なにが必要なのか」「どうして必要なのか」を自然に対して答弁する責任をこれ以上の家を望むひとに課してみたらどうだろう、その時、私はなにを望み、どう説明するのだろうか。(オン・ザ・ロード/ルートH)
寄り道
木曜日, 6 6月 2013
ハトが飛ぶコースを外れ、ひとに薦められた湖に立ち寄る。寄り道ができる幸せを噛み締めようとするけれど、寒さのためか、そんな暖かい気持ちは氷面をつつつとすべって消えてゆく。(オン・ザ・ロード/ルートH)
惹かれるもの
火曜日, 28 5月 2013
身を守るためにつくられてきた家がとにかく私を惹きつけるのは、それが私一人の興味というよりも、太古の昔から引き継いだ記憶に触れる(振れる/降れる)から。潮風にさらされたこの家の主は今はカラス。(オン・ザ・ロード/ルートH)
海か陸か
土曜日, 25 5月 2013
ハトは直線的に家(巣)に帰るといわれていますが、直線といったって、山がそびえていればそれを迂回する方法をとるのが自然かもしれません。そのとき、海をとるのか陸をとるのかという選択肢があります。山を選択してきたのは私個人の話ですが、だからこそ、海が根強く私の底に横たわっています。いざ、海へ。(オン・ザ・ロード/ルートH)
肩透かし
月曜日, 20 5月 2013
肩透かしを食って意気消沈している私に似合った寂しげな小道を、さあ、出発点にして、ハトが飛んだ(かもしれない)ルートに寄り添ってみましょう、、、。(オン・ザ・ロード/ルートH)
稚内港ふたたび
水曜日, 15 5月 2013
2012年の稚内レース、天候不順もあって私の滞在中にハトが飛ばされることはありませんでした。2013年、天候が不順になることが予想されて、私が稚内にたどり着くより先にハトは飛ばされてしまいました。わずかな雲の隙間からのぞいた太陽を頼りにハトは内陸へと飛んでいったそうですが、私が稚内に着いてもなお、その太陽を探しそびれたハトが上空をさまよっていました。(オン・ザ・ロード/ルートH)
上陸
月曜日, 13 5月 2013
大学の頃、自転車で北海道を旅したときと同じ苫小牧からの上陸。自転車って書くとなにか慣れた人の旅だけれど、苫小牧から札幌の道中サドルにこすれて「お尻が痛くなる」ことにはじめて気がつくようなノープランな感じ、今も昔も、そういうところに全く進歩がないなぁ。(オン・ザ・ロード/ルートH)
こつぜん
日曜日, 28 4月 2013
祖母は、私の小屋を見ずに死んでいった。けれども、生きていたとしたら小屋を見に来たか、そう自問すると、それはありえない、と自答するしか他にない。であれば、死んでしまった今の方が、祖母は、私の小屋の近くにいるということになりはしないか。私の小屋の前には、見えないくらいの量の水が流れる川がある。数日雨が降った後にそれはこつぜんと現れる。その、こつぜんと現れる川にあわせて。(『ハトを、飛ばす』連作のうちの三冊目「こつぜん」より)
ちょっと待ってよ
土曜日, 30 3月 2013
冬は、葉も落ち停滞して当然の季節だから、好きです。梅が咲き、桜が花開く頃には、なんだか進歩を要求されているようで、ちょっと待ってよ、という気持ちになってしまいます。世の中はそんな声には答えてくれないけれど、でもその、ちょっと待ってよ、の前にまだ冬なのが東北です。いや、青森の白浜に住むこの家の住人が、ちょっと待ってよ、と私に声をかけてきそうです。そして、そんな両者を必ず待ち構えていてくれるのが、次くる冬です。(オン・ザ・ロード/ Route 6)
浜吉田
金曜日, 22 2月 2013
ハトを無事に家に返すひとつの力となるのが、愛、だといいます。「家に(のっけてくれる)かーちゃんが待ってくれていると思うと誰だって帰りたくなるだっぺ」とは山崎さんの弁。寄り添いながら身を守り、寄り添いながらよりよい生き方を考えるのが、種のとってきた道なのかな。(オン・ザ・ロード/ Route 6)
あるわけない
土曜日, 9 2月 2013
去年あった風景だからといって、今年それがあるとは限らない。いや、去年あった風景だから、今年なんかにそんなの、あるわけない。(オン・ザ・ロード/ Route 6)
ゆめ、うつつ
月曜日, 21 1月 2013
数年前、ここで田んぼを耕していたあのひとは、この景色を見て笑うだろう、泣くだろう。ゆめ?うつつ?はっとするほどの黄色い大地を、今は雪が白く染めていること、私は、私の山の白さの中で、夢想する。(オン・ザ・ロード/ Route 6)
新年のくくるくく
木曜日, 3 1月 2013
ほうぼう 探して しらじら 夜明けに
いえ 扉は 閉ざして 結んで
ほどけず しみじみ つつしみ めんめんと
ことり 音なり あたしの名 呼んだかい?(映画『ハトを、飛ばす』挿入歌より)
楢葉の神社
土曜日, 1 12月 2012
駅前の神社、多分ここは毎日毎日「こんにちわ」という言葉や想いが溢れるところだったでしょう。今、それはなく「さよなら」があるだけ。(オン・ザ・ロード/ Route 6)